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ESSAY,2
『オーストラリア紀行、2』〜エアーズロック〜


日本が夏休みの頃、オーストラリアに行こうと思い立ったのですが、
その頃、南半球は、ちょうど冬にあたります。
そのため、冬でも暖かいケアンズから、エアーズロックに行くことに決めました。
ケアンズで一泊し、翌朝早くに、アリススプリングス空港に向けて出発。
そこで一度乗り換えて、エアーズロックに向かう予定です。

アリススプリングス空港に降り立った時、まず目にするのは、
赤茶色の岩と砂と、少しの木々のみでした。
ここが乾燥地帯であることが、すぐに分かる景色です。
しかし、まったく水気の感じられない大地であっても、
ここで生きている植物たちは、意外に多いのです。
本当に、生命の力ってすごいですよね!

それらの植物は、一目見るだけで、"wild flower"であることが分かります。
なぜなら、葉からの蒸散を抑えるため、表面がかっちり固くなっているからです。
オーストラリアの植物は、姿・形の美しさ、おもしろさだけでなく、
変わった繁殖方法が特徴のバンクシアや、
山火事の後に花を咲かせるグラスツリー、
また食虫植物など、興味深いものばかりです。
オーストラリアの森林は、1億3000万年前までさかのぼる、
世界最古の森のひとつなので、原始植物の宝庫でもあり、
特殊で独自な進化をしたからなのでしょうね。

ところで、オーストラリアを代表する植物と言えば、ユーカリです。
森の木の4分の3がユーカリと言われるほど、その種類も多く、
確認されているだけでも550種を超え、
現在も毎年のように、新種のユーカリが見つかるのだそうです。
日本でユーカリと言えば、"コアラが食べる葉っぱ"として知られていますが
(コアラが口にするのは、2〜3種のみです)、
葉から取れる精油は殺菌性が強く、
"万能薬"と呼ばれるほど治療特性が強いので、
オーストラリアの先住民族、アボリジニは、
傷を癒すのに葉を利用したそうですし、
現在も、石鹸などに使用されたり、
薬効のあるお茶としても利用されているんですよ。



さて、エアーズロックに到着しました。
ここもアリススプリングス同様、辺りは赤茶けた土と砂、
そして低い木々ばかりです。
実際、この周辺は「準砂漠」で、背丈の低い植物がたくさん生えています。
砂漠地帯であっても、草木が全くない不毛の荒野ではないんですね。

まずはマウント・オルガ全体が見渡せる、オルガ岩郡展望台に向かいました。
「マウント・オルガ」とは、「たくさんの頭を持つ山」という意味だそうです。
かつてはアボリジニの聖域だったので、たくさんの伝説が残っている所です。
アボリジニとは、オーストラリア大陸に5万年以上も住み続けてきた原住民で、
「人や自然や動植物たちが一体となって、共に運命を生きる」
という宇宙観を持ち、自然と共生してきたアボリジニ文化は、
生態系を守りながら生きることの大切さを、現代に伝えてくれています。

ここでは、山の麓の辺りを少し歩いたのですが、
とにかく"ハエ"が多いことに、驚かされました。
何度、ハエと"kiss"したことでしょう。
歩く人の大半が、背中に2〜3匹、背負っています。
帽子(hat系)の回り(円周)にコルクを紐でいくつも下げ、
一周分、のれんのようにしておくと、
顔の回りにくる"ハエ"を防御できるそうですが、
冗談はともかく、常に顔の前を手で仰いでいないと、顔にとまられるので、
リゾート内には"ハエよけネット"が売られていて、顔にスッポリかぶったり、
子供にかぶせたりする人がたくさんいました。
この時期は冬だから、まだ少ないのだそうですが、
30度を超す夏だったら、どういうことになるんだろうと想像すると、
ゾッとしてしまいました。

さて、いよいよ「地球のヘソ」と呼ばれる世界最大の一枚岩、
"エアーズ・ロック"に到着しました。
この岩は高さ、348m、周囲9km、高さは、東京タワーくらいでしょうか?
圧倒的な巨大さで、迫ってきますが、実は、地表に出ているのはほんの一部で、
地中の深さは、地表部の2倍とも3倍とも言われていて、
現在の形になったのは、数億年前だそうです。

私はまず、夕方、エアーズロックのサンセット・ツアーに出かけました。
エアーズロックがもっとも美しい色に染まるのが、サンセットで、
侵食と風化を繰り返してきた岩肌は、
陽の光を受けて七色に変化すると言われています。
真っ青な空が、日が沈むにつれ、濃い青、そして紺色になると同時に、
茶色だったエアーズロックの岩肌が、夕日を浴びて、
オレンジから、赤へと変化し、燃えるような朱から紫へと染まっていきます。
回りには何もない大地に存在する、巨大な岩山に、夕日が当たっている光景は、
想像通り、美しく幻想的でしたが、
それ以上に、自然の雄大さに圧倒されてしまいました。

翌日は、そのエアーズロック登山に挑戦です!
この地帯はかなり乾燥しているため、
暑いにもかかわらず、あまり汗をかきません。
なので、知らないうちに脱水症状に陥ることも多いので、
必ずミネラルウォーターを持ち歩くよう義務づけられています。
そしてもう一つ、エアーズロック登山で、ゼッタイに忘れてはならない物は、
「イボイボのついた軍手」なのです。
実は、私、これを忘れて来てしまったのでした!

エアーズロックは、頂上までは約1.6Kmと、
そう距離があるわけではないのですが、
登り始めに傾斜が強くなるので、足に負担がかかるし、風も強く吹くので、
場所によっては、四つんばいになって登らないと飛ばされそうになります。
しかも、一度足を滑らせると、引っかかる所がないので、下までまっさかさま!
な〜んて事にもなりかねません(現に死亡事故も起きています)。

そんな登山路なので、鎖で出来た手すりがあり、
その鎖をつたいながら登ります。
それをつかむのに素手では、手が痛くなってくるのです!
疲れて途中で休憩をしようと、座って下を見下ろしたら、
あまりの高さに、足がすくんでしまいました。
ダメです!途中でギブアップです!
残念ですが、諦めて下山しました。
同じ日、もっと上の方で、骨折者が出たそうで、
ヘリコプターが救助に向かっていました。

下山して、山の回りを散策することにしました。
エアーズロックは周囲をぐるりと歩くだけでも、3時間かかるほどの大きな岩で、
ところどころには、アボリジニによって描かれたロックアートが残されています。
しばらく歩いていると、不思議な感覚に包まれたのに気づきました。
何と、音がしない場所があるのです。
人間の生活の音も、鳥の声も、風の音すらしません。
ただ、ボ〜っと、耳に"無音"を感じる感覚があるだけです。

考えてみると、何も音がしない空間ってあるでしょうか?
普通の生活では、めったにありませんよね。
エアーズロックもまた、アボリジニの聖地なのですが、
彼らがここを神聖な場所としてきた理由の一端に、触れたような気がしました。
それは、荒々しい大自然だからこそ感じられる、神聖さだったように思います。
まるで古代人の夢の世界を体験しているような、不思議な感覚に包まれながら、
しばらく静かに歩き続けました。

















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