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ESSAY,3
『パリのお散歩 
〜マルシェからセーヌ川まで〜』



今回は、パリでみつけたマルシェのことなどを、書こうと思います。
お散歩気分で、おつきあいくださいね。


ある日の朝食後、
『今日は何の計画も立てずに、パリを歩いてみよう』と思いたち、
ホテルを出てセーヌ川方向へ、ふらっと歩いてみました。
しばらく、美しい街並みを歩くと、見つけました。マルシェです。
マルシェとは、市場のこと。
ここパリは、フランスの首都であるにもかかわらず、
ほとんどの人が、スーパーやデパートよりも、マルシェを利用して、
食料品を買い揃えているようです。
というのも、大規模な常設市場の他に、街の広場や大通りに、
大小約80ものマルシェがあるからです。
日本で言えば、"朝市"のようなものでしょうか。

私が歩いていたのは、パリ8区の中でも、
ファッション関係のお店が比較的多くある商業地区でしたが、
一歩、裏通りに入ると、おしゃれなお店と共に、
普通のアパルトマンやオフィスも並んでいます。
そんな空間に、マルシェはごく自然に溶け込んでいました。
たぶん100年前と少しも変わらない風景のまま、
都会に住む人々の食を支えているのでしょう。

さてマルシェでは、日本の「縁日」の時と同じようなテントが、
道の両脇に並びます。
氷を台の上にいっぱい敷き詰め、
その上に色鮮やかな魚を並べて売っている魚屋さん、
鳥が丸ごと並べられた肉屋さん、色とりどりの新鮮な野菜たち、
果物を扱うお店、調味料(香辛料)のみを売っているお店、などなど、
さすが食の王国フランスです。
パリ近郊から運びこまれた、新鮮で旬の食材が、
これでもかというほど豊かに並んでいます。

常連客らしい人と、お店の人との賑やかなやりとりや、
ご近所同士らしいおばあさん達の立ち話など、
陽気で活気のある雰囲気を楽しみながら歩いていると、
焼き立てのバゲットに、チーズや生ハムをはさんだサンドウィッチ屋や、
クレープの屋台、アイスクリーム屋さんも見つけたりして、
何だか本当に縁日のようで、ウキウキします。
豆類だけを扱っているお店、チーズのお店、生ハムやベーコン、
燻製を扱っているお店、本物かどうかは怪しいですが、
キャビアなど高級食材を扱ってるお店もあります。
そして何と、"ハーブ"だけ専門に扱っているお店も見つけました!

"ハーブ!"
フランスでは、たくさんの種類のハーブが、
当たり前のように日常の食卓を飾ります。
ですから、ハーブ専門のお店があっても不思議ではありませんが、
こんな街中で、しかも新鮮なハーブが
簡単に手に入るなんて、驚きです!
日本でも、しそ、山椒、パセリなどは、スーパーでも購入できますが、
西洋ハーブのマーシュ、バジル、ロケット、セージ、フェンネル、
コリアンダー、タイム、マジョラム、ローズマリー、
ディル、チャービルなどは、高級食材を扱うスーパーでしか、
品揃えがなく、しかも鮮度がよくないのです。
ハーブ好きな私としては、本当にうらやましい限り!

私は特に、バジル、ローズマリー、コリアンダーが大好きで、
よく、それらを料理に使います。
たとえば簡単なものなら、
バジルとモッツァレッラ・チーズとトマトのサラダや、
鶏肉をカレー粉とローズマリーにつけて、塩とこしょうを軽くまぶし、
オーブンで焼くだけで・・・
こうして書いているだけでも、香りに負けて、キッチンに走りそうです!

さて、マルシェをのんびり散策していると、
あっ、ありました、お花屋さんです!
狭いスペースに、お花、お花、お花がたくさん!
いくつものバケツに、大きなお花、可愛らしいお花、etc・・・と、
色とりどりのお花が、ちょっときつそうに、賑やかに並んでいます。
私が歩いていたマルシェは、そんなに大きな規模のものではありません。
それでも、ちょっと歩いただけで、食材はたいていそろってしまうし、
何より、新鮮なお野菜を買ったついでに、
部屋を飾るお花まで手に入るなんて、
パリの人々が、どれだけ食生活と暮しそのものを楽しんでいるか、
マルシェをちょっと歩いただけでも、よく分かりました。






マルシェには、どんなお花があるのかしら?、と眺めていたら、そのお店の向こう奥から、
背の高いスレンダーな女性がスッと現れました。
私の立っていた場所から、彼女の顔はよく見えませんでしたが、
後姿を見ただけで、ステイタスのある女性だということは、十分に分かりました。
ひざ丈のシフォンタイプのワンピースは、派手なデザインではありませんが、上質な素材で、
髪も手櫛のニュアンスを残したナチュラルなカット。
何より、身のこなしが上品で、しかも嫌味がなく、実に洗練されています。
そのマダムの後ろを、お店の若い店員さんでしょうか、美しくアレンジされたお花を両手で持って、歩いて行きます。


そのお花は、だいたい横60cm、縦50cm、高さ7〜8cmぐらいの平たい器に、
バラやスイートピーが低く、タイトな感覚でアレンジされていて、非常に贅沢なのに、甘さのないモダンなアレンジでした。
きっと、そのお花を、彼女の車まで運ぶのでしょう。
あるいは、この近くに彼女のオフィスがあるのかもしれませんね。
何だか、パリ16区や17区の高級住宅街に住むマダムの生活を、ほんのちょっと垣間見た気がしました。
しかも、あの大きな器を置いても、十分に映えるテーブルがあるなんて、何てステキなんでしょう。
想像するだけで、うっとりしてしまいます。


さて、マルシェの探索ももうおしまいです。
もう少し歩くと、そこはセーヌ川。
心地よい風に吹かれているうちに、アレクサンドル3世橋が見えてきました。
凝った装飾の施された街灯と、橋の両端にある女神とペガサスの彫刻が美しい、
ロシア皇帝の名前にちなんでつけられたこの豪華な橋は、1900年のパリ万国博の際に完成した橋で、
セーヌ川にかかる橋の中でも、最も美しいと言われています。


パリの中心を走るセーヌ川には、自動車専用の橋も含めて、35の橋がかかっているそうです。
ここからシテ島の方向に向かって歩くと、コンコルド橋、芸術橋、ポン・ヌフと、日本でもよく知られた橋が続きます。
中でも、一番有名な石橋が、"ポン・ヌフ"で、1607年に完成したそうです。
この橋は、400年以上に渡って、右岸と左岸を結んできた、現存するパリ最古の橋で、
芸術家たちに最も愛され、映画にもよく出てくるので、おそらくみなさんも、ご存知だと思います。


セーヌ川の両岸には、ブルボン宮、オルセー美術館、ルーブル美術館、
コンシェルジュリー、ノートルダム大聖堂もあり、歴史のある、美しく荘厳な建物も楽しむことができます。
ただし、この距離を歩くのはちょっと大変なので、遊覧船でのクルージングがお薦めです。
できれば、ナイト・クルージングを、ぜひお試しくださいね。
夜になると、主立った建物や橋がライトアップされるので、
昼間とは、表情がすっかり変わってしまい、それはそれはステキですから!


前年、フランスを訪れた時、私もナイト・クルージングを楽しみました。
その年は、ちょうど2000年。
エッフェル塔が、2000という数字のライトを掲げ、ジャストの時間になると、
いっそうキラキラとライトを点滅させ、華やかに輝いていました。
そして、各建造物のライティングも特に凝っていて、闇の中に白く浮かび上がるノートルダムを初め、
深い黄色のライトをマントのようにはおる、コンシェルジュリーなど、14世紀から歴史を刻む建物は、
ますます気高く、神秘的な表情を見せてくれました。
一方、近代に建てられた比較的歴史の浅い(?)建物には、
青や赤のかわいらしいイルミネーションと、リボンや旗のお化粧が、
ほんのちょっと施され、長い時の流れを感じる重厚な雰囲気の中にも、
クリスマス・シーズンのような華やぎもあって、うっとりと夢心地の気分だったのを、思い出します。


でも今日は、お気に入りの橋の上から、静かにセーヌを眺めてましょうか。
アポリネールの、ミラボー橋の詩の一節にあるように、
『月日は流れ、わたしは残る』と、ため息がもれるような気分を味わうのも、いいかもしれません。
数百年の歴史と現代とが、一つに溶け込んでいるこのパリで、しばらくの間、橋に佇み、日常生活を離れて、
メランコリックな気分にひたるのも、旅が与えてくれる、贅沢な時間なのかもしれません。












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