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ESSAY,1
『ルピナス街道』



新緑のまぶしい季節になりました。
ゴールデン・ウィークも始まって、いよいよ旅行シーズン到来ですね!
以前掲載した、「フランス紀行」に続いて、
私の海外での体験を、お花のことを織り交ぜながら、
またしばらく、お話したいと思います。
今度は、「ニュージーランド紀行」です!

成田からニュージーランドまでは、約11時間のフライトです。
オーストラリアのケアンズまでは、約6時間半ですから、
オーストラリアとニュージーランドは、近そうに思えて、
けっこう遠いですよね。

一億年以上も前に、大陸から分裂したニュージーランドでは、
古代の動植物が、孤立した環境の中で進化してきたので、
動植物もユニークなら、地形も独特で、
アルプスの山々から砂浜、原生林、氷河、フィヨルド、
活火山まで、あらゆる大自然が満喫できる国として有名です。


私が初めてニュージーランドを訪れたのは、日本の夏でした。
ニュージーランドは南半球ですので、現地の気候は冬。
暑さに弱い私は、日本の夏を逃れるべく、
涼しいところを選んだつもりなのですが、
それにしてもちょっと肌寒かったのを覚えています。

しかし、クライストチャーチからクイーンズタウンに移動する時、
飛行機から見た、真っ白い雪を全身にまとった
アルプスの山々の美しさと言ったら!
どこまでも続く白い山並みは、あまりに神々しく、声を失いました。
そして、その山の中に点在する、湖の色の美しいこと!
俗っぽい言い方になりますが、
まるで青いバスクリンを入れたお風呂みたいに、真っ青だったり、
エメラルド・グリーンだったり、中には、ミルキー・ブルーと言って、
日本には絶対にない、不思議な色をした湖まであるんです。
氷河や山の成分が溶け出すことで、このような色になるそうですが、
それにしても、自然が生み出す神秘的な色には驚かされ、
すぐに、この国の美しさの虜になりました。
でも、冬はやはり寒いですし、天候が悪くなることも多いので、
これ以降は、春から夏の、お花がいっぱいの季節を訪れることにしています。

ニュージーランドは、ご存知のように「羊の王国」です。
国土は日本の70%ほどなのに、人口は約378万人たらず。
しかし羊の数は、何と約5〜6,000万頭いるそうです。
人口の20倍もの羊たちが、広い広い草原に放牧されているわけですが、
一口に羊といっても、実にたくさんの品種(26種)があるそうで、
おもしろいお話としては、地球環境上問題になっている、温室効果ガスを、
反芻動物である羊(そして牛も)からも、大量に出されているらしく、
「羊のげっぷ」を減らそうと、まじめに研究されているんですって。
こんなことも、ニュージーランドならではの問題ですよね。

現地では、観光用に羊の毛刈りが体験できるコースもあり、
私も挑戦してみました。
羊の毛って、くるくる天然パーマ状態で、しかもネチネチと油っぽく、
想像してたウールのフワフワ感とは、ぜんぜん違うんですね。
その毛をバリカンのようなもので刈っていくのですが、
羊にケガをさせるんじゃないかと心配で、なかなか上手く刈れません。
一方、担当の方は、手慣れた様子で毛を刈っていき、
あっという間に羊は丸裸にされ、寒そうにしてたのが、かわいそうでした。
本来、この時期には、あまり毛を刈ることはないのだと、後で知りました。
(ごめんなさいね、羊さん!)

その日の夕方、静かに、広大な草原の中をお散歩しました。
羊がのんびり歩いたり、草をはむのを眺めていると、
遠くに何本か立っている木立の後ろを、夕日が静かに沈み始めました。
すると、その日最後の太陽の光が、柔らかく草原を照らし出し、
青空が次第に赤く、雄大に染まっていくのです。
その時の、光り輝く草原の穏やかな美しさと言ったら!
まるで、一枚の風景画の中にいるような、暖かい幸福感に包まれました。
今でも、その時の光景は、忘れられない思い出です。

さてニュージーランドは、さほど大きな国ではないのですが、
国内の移動には、飛行機をよく使います。
しかし山が多いため、レーダーが使いずらいのでしょうか?
計器ではなく、視覚に頼ることが多いようで、少しでも天候がよくないと、
すぐにフライトが中止になってしまうのです。



季節の安定する夏に旅行した時の、ある移動日のことです。
曇りで雨は少ししか降っていなかったのですが、
山の天候が悪かったのでしょう。
やはりフライトできず、仕方がないので、陸路に変更しました。
飛行機なら1時間のところを、その何倍もの時間をかけて移動したのですが、
そのおかげで、思わぬ光景に遭遇できたんです。
それは、道沿いに果てしなく続く、ルピナスの群生です。
青、白、あずき色のルピナスが、どこまでも、どこまでも、
ず〜っと咲き続けているのです。
日本では、北海道で主に咲いていますが、
こんなふうに野性的に咲いているのは、初めて見ました。

しかしルピナスは、雑草で、しかも外来種なんです。
しかも家畜も食べないし、すごい生命力で、あっという間に増えてしまうので、
国立公園内にはえ出したら、即刻、駆逐されるそうです。
ですから、ニュージーランドの代表的な花は、ルピナスではなく、
「マウントクックリリー」なのですが、
偶然遭遇した「ルピナス街道」は、それはそれは幻想的で、
夢の国を列車で走っているような、そんな美しさなのでした。   (つづく)
















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